歩くことによって起きる障害

疲労

山歩きというものはそもそも疲れるものです。
しかし、それが「ちょっと疲れたなあ」という程度で済んでいるうちはいいのですが、ヘトヘトに疲労困憊してくると歩くのにも支障をきたしてきます。いわゆる「バテた」という状態になります。

体調不良、睡眠不足、空腹、水分不足、オーバーペースなど疲労の原因はさまざまです。
逆にいうなら、山へ行く前にはしっかり体調を整えておき、なおかつエネルギー源と水分を補給しながら自分のペースで歩くようにすれば、バテずに歩くことができるわけです。
また、休憩も疲れる前にとるということも予防策のひとつです。
それでもバテでしまったら、何はともあれ休むことです。ゆっくり休んで筋肉をリラックスさせて疲れを回復させましょう。

ある程度回復して歩けるようになったら、無理して計画通りに歩こうとはせずに、ゆっくり歩くようにしましょう。
もしどうしてもこれ以上歩けない場合は、近くの交通機関を探し安全に下山しましょう。

筋肉痛

全身的な疲労がバテ、局部的な疲労が筋肉痛です。筋肉痛は、筋肉のオーバーワークによって引き起こされる痛みで、山歩きでは最も酷使される足に症状が出ます。
しかし、山歩きは全身の筋肉を使う運動なので運動不足、体力不足の人には全身に筋肉痛がでることもあります。
もっとも、筋肉痛はすぐにでるものではありません。
しかし、六甲縦走の場合、実際歩いている時間が長いために後半筋肉痛がでてくる場合があります。
まず、筋肉痛にならない方法としてはなんといっても普段からのトレーニングが必要です。特に足の筋肉のトレーニングが不可欠になります。そして、行動時には、太ももやふくらはぎを中心にした全身のストレッチを入念にします。
筋肉痛になったら、消炎鎮痛剤を貼ったり、塗ったりしておくと少しは痛みが和らぎます。

脚がつる

筋肉に急激な強い負荷がかかったり、酷使した筋肉が冷えたりすると、筋肉がピーンと収縮して筋肉がつるという状態になります。
山を歩いているときに起こりやすいのは、太ももやふくらはぎの筋肉がつってしばし歩けなくなるというケースです。
特に冷たい風の当たる場所を歩いているとき、歩行中にバランスを崩して踏ん張ったり休憩時に体が冷えた時などに脚の筋肉が痙攣してしまします。

もし、歩いている時に脚がつってしまったら、つった足をストレッチで伸ばしてあげれば痛みは解消し、また歩けるようになります。
筋肉がつるときには筋肉が収縮しまるので逆に伸ばすことが必要です。

しかし、一度つってしまったら後々またつる可能性は非常に高いです。
つってしまったら、無理をせず近くの交通機関を探しましょう。

マメ・靴ずれ

たかがマメ、靴擦れと侮ってはいけません。
ひどくなれば歩けなくなることもあります。マメも靴ずれも、同じ個所が何度もこすれることによってできる一種のやけどです。
患部が水泡になっている状態をマメといい、そのマメがつぶれて皮膚がむけた状態を靴ずれといいます。
どっちもできないにこしたことはありません。

マメや靴ずれができる一番の原因は、靴が自分の足にあっていないことです。しっかり選ぶことも必要ですし、新しいのも原因となりますので履き慣れておくことも必要です。
実際に歩く時は靴ひもをしっかり締め、靴の中で脚が遊ばないようにします。
また、靴下が靴の中でしわになっているとその部分がすれてしまします。
歩いている時に靴の中で脚の一部が当たるような感じがする時は、すぐに対処しましょう。

処置の方法は、靴が当たる個所、なんとなくヒリヒリする個所に患部より大きくきったデーピングテープを二重三重に貼っておきます。
最近は、靴ずれ用のテープも販売していますのでそれを利用するのもいいです。

膝の痛み

山を歩くときには膝に大きな負担がかかります。
特に下りの際に症状がですことが多いです。予防策としては、膝に負担のかからないように歩く必要があります。
また、ストックを使うと膝にかかる負担を軽減することができます。よく膝が痛くなるという方は、サポーターの装着をお勧めします。また、なんと言っても普段から太もものトレーニングが必要です。
それでも膝が痛みだしてしまったら、できるだけ患部を冷やすことです。山で冷やすのは難しいですが、コールドスプレーを吹きつけたり、消炎鎮痛剤を貼る、塗る、内服のものを使用するのも効きます。
上記の内容は、あくまでも応急処置となります。一番のお勧めはひどくなる前にリタイヤすることです。完走も大切ですが自分の体が一番大切ですよ。

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