膝に負担をかけない下り方
山で膝が痛くなるのは、登っているときよりも下っている時のほうが圧倒的に多いようです。
山を下るときには、登るときのように体を上に運ぶ必要がなく、重心の法則によって黙っていても体が下方に運ばれます。その際には、たとえどんなにゆっくり下ろうとも、重力の働きによって加速度がつきます。
つまり加速度のついた体重を支えながら下るわけですから、膝にかかってくる衝撃は、当然登りのときよりも大きくなってきます。
この衝撃をやわらげてくれるのが膝です。膝の関節がクッションの役割を果たし、衝撃を吸収してくれるのです。
ところが、正しいフォームで下ってないと、膝はクッションの役割を果たすことが出来ません。下りの加速度のついた全体重を直接、膝で受け止めることになってしまうのです。その衝撃に耐えられなくなって膝が痛み出すのです。
誤った下り方は、すなわち膝に衝撃が直接かかってくる下り方の主なものは腰が引けて後傾姿勢になっているときです。この体勢では、前の足が着地するときにどうしても膝が伸び切ってしまい、加速度のついた全体重をしっかりと膝関節で受け止めることになります。また、スピードを出しすぎている時も要注意です。
下りでスピードを出していると、とっさに止まろうとする時には膝を突っ張ってブレーキをかけようとします。このときも伸び切った膝に衝撃がかかってきます。それを繰り返していれば膝を痛めてしますのも当然です。逆に前の足が着地する瞬間に、すでに膝が曲がっているからです。では、膝を伸ばすのもダメ、曲げるのもダメというのでは、いったいどうしたらいいのでしょうか。
正解は、着地したときには前の足の膝が伸びていても構わないのですが、すぐ次の瞬間に膝を曲げていくのです。
言い方を変えると後ろ足に重心を残した状態で前足を着地させ、着地した瞬間に重心を徐々に前へ移動させていって、足首と膝をしっかり曲げて体重を膝から逃してあげるのです。
後傾姿勢で膝が伸びきっていると、着地した次の瞬間に膝を曲げて体重を逃してあげることができません。反対に膝を曲げて着地すると、伸びている筋に直接ショックがかかってきてしまします。だから膝を痛めてしまうのです。
前述したような基本的な下り方がしっかり出来ていれば、膝は痛くならないはずなのですが頭で分かっていても、いざ実際に歩くとなると、なかなかそれが難しいです。そういう場合は軽く走ってみてください。
危ないからゆっくり下るというのは逆効果です。ゆっくり歩こうとするから膝が棒のように突っ張ってしまうのです。安全な場所で試しに走ってみて下さい。
ジョギングするようなスローペースで結構です。走るフォームというのは膝が常に柔軟に曲がった状態になっているので、膝に大きな衝撃はかかってきません。
最後に膝を痛めないようにするためには、なんといっても膝周りの筋肉をつけることが一番です。