疲れる前に休む

山では休憩をとりながら歩くのが常識とされています。休みなしで3時間も4時間も歩き続けるということは、まず考えられません。その人の体力や経験、登山道の状況にもよりますが、急斜面の登りなら普通は30〜40分も歩いていれば徐々に疲れを感じるようになってきます。たとえ平坦な道であっても、1時間以上も歩き続ければやはり疲れを感じます。足の筋肉だって張ってきますし、喉も渇いてきます。そてに構うことなく歩き続けようとしてもなかなかできるものではありません。無理がたたって余計に疲労が増してしまうでしょう。
山を歩いている時に休憩をとるのは、そうならないようにするためです。休憩をとることによって疲労を回復させ、山を歩くためのエネルギー源と失った水分を補給し、体をリフレッシュさせるのです。

山を歩くときの休憩の大原則は、「疲れる前に休む」ということです。疲れを自覚するということは体が"だいぶ疲れたから休みたい”という危険のシグナルを発していすということを意味しています。しかし、そうなってから休んだのでは、数十分の休憩では疲れはとても回復しません。結局、疲労を蓄積させてしまします。
ですから、疲労困憊になる前に「ちょっと疲れてきたかな?」と感じた時点で休みをとれば体力もすぐ回復し、また元気に山を歩き続けることができるようになるはずです。

休憩のとり方としては、主に小休憩と大休憩の二つがあります。小休憩は学校の休み時間のように定期的にとるもので。40分〜1時間歩いて10分〜15分休むというのが一般的なサイクルです。ただし、これはあくまでも目安です。
もうひとつの大休憩というのは、疲労回復と心身のリフレッシュを目的にとる小休憩に対し、たいていは昼食などを摂ることを目的とするものです。だいたい30分〜40分休憩します。
このほか、スタートしてから30分〜1時間後にとる休憩もあります。これは靴ひもやザックのベルトの再調整、服装による体温調整など行うための休憩です。
この休憩がないと後でバテてしまったり、足にマメができてしまったりということがあります。

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